秋冬になると気になり始める、体の乾燥。
ひざ下が白く粉をふいたり、腕がカサカサしたり、お風呂上がりに体がかゆくなったりと、「肌の乾燥をなんとかしたい…!」という人は多いのでは?
そこで今回は、体の乾燥の原因や対策法をご紹介!
日中の粉ふき対策や、服のチクチク対策など、気になる疑問にもお答えします。ぜひ参考にしてみてくださいね!
森下
1.体の乾燥の原因は?
次のような症状に思い当たることはありませんか?
- 全身にカサカサ感がある
- お風呂上がりに体がかゆくなる
- ウールや化学繊維の服を着るとかゆくなる
- ひざ下が粉をふく
- 爪でかくと、カサカサと皮膚がはがれる
これらの症状は主に「乾燥肌(ドライスキン)」によって引き起こされます。この乾燥には、次のような要因が関わっています。
・空気の乾燥
…エアコンの使用や湿度の低下など
・NG習慣による肌ダメージ
…間違った入浴法やスキンケアなど
・お肌の水分量の減少
…加齢やターンオーバーの乱れ
・遺伝的な要因
…etc
こうした乾燥肌を対策するには、生活習慣の見直し&ただしい保湿ケアというダブルの方法でお肌の潤いを守ってあげることが大切です。
森下
生活習慣が乾燥肌の引き金に?
・冷暖房で乾燥した部屋で長くごす
・体をタオルでゴシゴシこすり洗いする
・熱いお湯でシャワーを浴びる
…といった習慣は、乾燥肌を引き起こす原因になるので気をつけましょう!
2.体の乾燥の対策
ではここから、簡単にできる体の乾燥対策3つを見ていきましょう。
体の乾燥対策①
乾燥させない入浴法を心掛ける
お風呂上がりに足や背中などがかゆくなる場合は、入浴法を見直すことが重要。
入浴によって皮脂膜やうるおいが奪われると、バリア機能が弱まって肌が乾燥し、かゆみが生じます。
体の乾燥を防ぐため、入浴では次の3点を意識しましょう。
①お湯の温度を適切に設定
…シャワーの温度は38℃程度、湯船も40℃以下
②肌に刺激を与えるアイテムは避ける
…あかすりタオルなど
③ボディソープや石鹸は低刺激タイプ
…皮脂を取りすぎないものが◎
なかでもやりがちなのが、高温でのシャワー。
熱いお湯は、肌に必要なうるおい成分まで洗い流してしまうので注意しましょう。
また、長風呂にも要注意。血行がよくなると、それが刺激になってかゆみが強まることがありますよ。
森下
入浴剤は「成分」まで要チェック
保湿成分を含む入浴剤なら問題ありませんが、なかには乾燥しやすい成分を含む入浴剤も。
たとえば、硫黄は皮脂を減らし肌を乾燥させる作用があるため、乾燥時には避けるのがベター。
配合成分にも注目して選んでみましょう!
体の乾燥対策②
高保湿なアイテムで潤いケア
入浴の後は必ず、ボディクリームやボディローション、オイルなどで保湿ケアをおこないましょう。
保湿効果の高いアイテムで水分・油分を補い、肌のバリア機能を整えてあげることが重要です。
おすすめ高保湿成分は?
保湿力 | 成分例 |
---|---|
セラミド、レシチン、ワセリンなど |
|
ヒアルロン酸、コラーゲン、リピジュアなど | |
アミノ酸、グリセリンなど |
なかでも体の乾燥が気になる方には、セラミド配合のアイテムがおすすめ。肌を守る「バリア機能」をサポートしてくれますよ。
またかゆみだけでなく肌荒れも気になるときは、刺激が少ないワセリンも効果的です。
保湿ケアは、入浴後に限らず、1日数回行うように意識するといいでしょう。
森下
乾燥肌なら「しっとり」タイプ
乾燥肌の保湿クリーム選びでは、できるだけ「しっとり」なタイプを選ぶのが正解。
しっとりタイプは油分を含んでいる場合が多く、水分と油分の両方を取り入れられます。
そのほか、セラミド化粧水+ワセリン(油性成分)など、水分と油分を別で取り入れても◎。
体の乾燥対策③
日常生活でできる乾燥対策
日々の生活では、「湿度対策」も重要なポイント!
湿度が低くなりやすい秋冬はもちろんのこと、夏の冷房も皮膚を乾燥させるので気は抜けません。
部屋に加湿器を置くなどして、室内の湿度対策を心がけましょう。
森下
洋服選びも意識してみて
アクリルやウールなどの素材は、かゆみを誘発したり、さらに引っかいてしまって肌荒れを引き起こすことも。
これらの化学繊維は直接肌に触れないようにし、下着やインナーは、肌に優しい綿素材などを選ぶようにしましょう。
3.体の乾燥で気になるQ&A
最後に、体の乾燥が気になるときの疑問にひとつずつ回答していきます!
かゆみや粉吹きが気になっている人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
Q:体がかゆくて掻いてしまったら、どうすればいい?
森下
A:まずは低刺激のワセリンで保湿ケアを!
乾燥によってかゆみが生じると、つい掻いてしまって皮膚が傷つき、更にかゆくなることも……。
そんな悪循環を避けるためには、
- 低刺激なワセリンで保湿ケアをする
- できるだけ掻かないようにする
…という2点を心掛けましょう。
もし炎症が見られる、赤みが引かないといった症状があるときは、迷わず皮膚科へ。
Q:日中、体の粉吹きが気になる場合は?
森下
A:こまめな保湿ケアを心がけて!
皮脂腺が少ない腕や足は、体のなかでも特に乾燥しやすいパーツ。
持ち歩きに便利な携帯タイプのボディミルクやワセリンを常備し、日中もこまめな保湿ケアを心がけてみてください。
Q:冬場、ウールを着ると乾燥がひどくなる気がする…。どうすればいい?
森下
A:カシミヤなどの別素材で代用!
ウールの代替アイテムとしておすすめなのが、優しい肌触りが特徴の「カシミヤ素材」。なめらかな質感で、チクチク感をかなり抑えることができます。
一方で、カシミヤ素材はお値段が高く、普段使いしにくい一面も……。
そこでカシミヤのさらに代案として、綿素材の長袖シャツなどを取り入れるのもおすすめです!
4.ひどく気になるときは早めに皮膚科へ
乾燥肌や、乾燥によるかゆみ、かぶれ、肌荒れがきになるときには、迷わず皮膚科を受診しましょう!
皮膚科を受診することで、
- かゆみを抑える抗ヒスタミン薬
- 炎症を抑えるステロイド軟膏
…といった飲み薬や塗り薬を処方してもらえます。
また、乾燥が原因と思っていた皮膚のかゆみが、別の病気が原因である可能性も。
気になることがあれば、気軽に皮膚科へ相談するのがおすすめですよ!
5.まとめ
実年齢よりも老けて見えたり、かゆみが気になって寝られなくなったりと、美容の大敵である「体の乾燥」。
何気ない生活習慣が乾燥肌を悪化させていることもあるので、ぜひ日々の習慣を見直してみましょう。
また、顔の乾燥も気になるときは別記事の「顔の乾燥の原因と対策|NGケアから高保湿なスキンケア&メイク法まで全解説」もチェックしてみてくださいね!
▼参考文献:
・「日本化粧品検定 2級・3級対策テキスト」主婦の友社,2016年
・「化粧品成分ガイド第6版」フレグランスジャーナル社,2015年
・日本化粧品技術者会
・田上八朗(2014)「ドライスキンへのアプローチ―温故知新―」日本香粧品学会誌 Vol. 38, No. 1, pp. 15–21