世の中にはさまざまな保湿成分がありますが、それぞれ効果が違うことを知っていますか?

そこでこの記事では、よく使われる保湿成分の種類&特徴わかりやすく解説します。

自分に合う保湿成分選びのポイントを見つけて、乾燥対策に役立ててくださいね!

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この記事のライター:

森下 なつみ


hadato編集部の美容ライター。

肌荒れしやすいため、美容について正しく・幅広い知識を得たいと考え、日本化粧品検定1級コスメコンシェルジュ資格を取得した。

※本記事内における浸透とは角質層までをいいます。

1.保湿成分とその効果

保湿成分の種類を解説

そもそも保湿成分とは、お肌にうるおいを与えて乾燥を防ぐために配合される成分のこと。

同じ保湿効果を発揮する成分でも、種類によってその働きは異なります。

保湿成分のおもな種類と働き

① うるおいを引き寄せる成分

【働き】水分を引き寄せて、うるおいを与える

【成分】ヒアルロン酸、コラーゲン、アミノ酸など


② うるおいを挟みこむ成分

【働き】バリア機能を整えて、水分保持力を高める

【成分】セラミドなど


③ うるおいにフタをする成分

【働き】水分を逃がさないよう閉じ込める

【成分】スクラワン、ワセリンなど

「一種類だけ使っておけばOK」というわけではなく、それぞれを組み合わせて保湿することが大切。

これを参考に、保湿成分の種類や組み合わせを意識した化粧品選びを心がけてみましょう!

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配合・浸透技術にも注目!


同じ成分が含まれていても、化粧品の値段はピンキリ

 

同成分で価格差のある化粧品で悩んだら、どんな技術が活用されているのかにも注目してみましょう!

 

値段が高い化粧品の中には、メーカー独自の浸透技術が活かされたアイテムもありますよ。

2.よく使われる保湿成分の種類

保湿成分の種類を解説

ここからは、化粧品によく使われている保湿成分の機能や役割を詳しく解説!

各保湿成分の特徴を押さえて、化粧品選びに役立ててくださいね。

おもな保湿成分10種類

保湿成分①:ヒアルロン酸
保湿成分②:コラーゲン 
保湿成分③:セラミド
保湿成分④:スクワラン
保湿成分⑤:アミノ酸類
保湿成分⑥:グリセリン
保湿成分⑦:BG(ブチレングリコール)
保湿成分⑧:DPG(ジプロピレングリコール)
保湿成分⑨:糖類
保湿成分⑩:ワセリン


保湿成分①:
ヒアルロン酸

保湿効果

潤いを引き寄せて、お肌に与える

 
ヒアルロン酸は、1gでおよそ6Lもの水分保持力がある有名な保湿成分。

ヒアルロン酸にはいくつか種類があり、保湿できる範囲に違いがあります。

種類 保湿できる範囲
ヒアルロン酸Na 肌の表面
アセチルヒアルロン酸 肌の表面と内側
加水分解ヒアルロン酸 肌の内側

※肌の内側…角質層まで

ヒアルロン酸配合の化粧品を選ぶときは、種類までチェックしてみましょう!

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おすすめの種類は?


加水分解ヒアルロン酸は、ヒアルロン酸を分解して角質層まで浸透しやすくしたもの。

 

また、アセチルヒアルロン酸も要チェック。角質層になじみやすく、肌の表面と内側の両方に働きかけてくれます!

 


保湿成分②:
コラーゲン 

保湿効果

潤いを引き寄せて、お肌に与える

 
コラーゲンは肌をつくるタンパク質として、もともと私たちの身体に存在している成分です。

肌なじみがよく、肌表面に保護膜を作ってくれるのが特徴

化粧品に配合される場合、肌に浸透しやすくするために分子を小さくした「加水分解コラーゲン」 が多く使われています。

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肌に上手に浸透させるには?


コラーゲンやヒアルロン酸は比較的分子が大きく、もともと角質層まで浸透しにくいのが特徴。

 

角層までの浸透度をアップしたいなら、

 ① 加水分解コラーゲンを選ぶ

 ② 浸透を高める美顔器を使う

…といったケアがおすすめです。

 


保湿成分③:
セラミド

保湿効果

肌のバリア機能を整える

水分保持力を高める


セラミドは、肌を外部刺激から守る「バリア機能」としてはたらく高保湿成分です

もともと角質層内に存在する成分で、肌内部のセラミドが不足すると、肌が敏感になります。

ヒト型セラミドの成分表名

成分表名(別名) おもな効果

セラミド1(EOP)

保湿、バリア機能ケア

セラミド2(NG、NS)

とくに高保湿

セラミド3(NP)

保湿、しわ、バリア機能ケア

セラミド5(AG)

保湿、バリア機能ケア

セラミド6Ⅱ(AP)

保湿、ターンオーバー促進

セラミド7(AH)

常在菌バランスを整える

 
セラミドは上記のほか、動物由来の「セレブロシド」、植物由来の「米ぬかスフィンゴ糖脂質」などさまざまな種類があります。

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敏感肌、荒れ肌がなかなか改善しない…」という方におすすめです!


保湿成分④:
スクワラン

保湿効果

水分を逃がさないように閉じ込める

 
スクワランは、皮膚への浸透性が高い油性の保湿成分。水分の蒸発を防ぐフタの役割を果たしてくれます。

非常に伸びが良いため、マッサージ用のオイルとして使われることも。

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似たような油性成分としては、ホホバオイルなどがあります。

 


保湿成分⑤:
アミノ酸類

保湿効果 潤いを引き寄せて、お肌に与える


アミノ酸は、もともと皮膚に存在する保湿成分(NMF)の主成分

私たちの体をつくるタンパク質のもとでもあり、とても重要な成分です。

化粧品によく配合されるアミノ酸

・セリン

・グリシン

・プロリン

・ロイシン

・アルギニン

・グルタミン酸

・ヒスチジンなど

なかでも、高い保湿力が期待できるセリンとグリシンは特におすすめですよ!

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「ペプチド」もアミノ酸の一種


「ペプチド」とは、アミノ酸が数個〜数十個つながったものを表す成分のこと。

 

さらにアミノ酸が100個以上つながると「タンパク質」と呼ばれます。


保湿成分⑥:
グリセリン

保湿効果 潤いを引き寄せて、お肌に与える

 
グリセリンはやや粘性がある、高い吸水性が特徴の保湿成分

化粧水からクリームまで、幅広いアイテムに配合されています。

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組み合わせで保湿力◎


相性が良いほかの成分と組み合わせることで、さらなる保湿効果アップが期待できます。

 

特に、ヒアルロン酸やコラーゲンなどと合わせて使うのがおすすめです!


保湿成分⑦:
BG(ブチレングリコール)

保湿効果 潤いを引き寄せて、お肌に与える

 
BGは、グリセリンと同じくやや粘性があり、水分と結びついてうるおいを与えてくれる成分。

菌が生きていけない環境をつくる「静菌」の働きがあり、防腐剤と用いることで防腐効果が高まるという特徴があります。

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静菌作用に注目!


BGのおかげで防腐剤の量を減らせるという利点もあり、低刺激性のアイテムに配合される場合も。


保湿成分⑧:
DPG(ジプロピレングリコール)

保湿効果 潤いを引き寄せて、お肌に与える

 
DPGは、おだやかな保湿力と、べたつきが少なくサラッとした使用感が特徴の保湿成分。

BGと同じく、静菌の働きに優れています。

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優しく、使いやすい成分


PG(プロピレングリコール)よりDPGの方が皮膚刺激が低いため、低刺激な化粧品に使われているケースも多いです


保湿成分⑨:
糖類

保湿効果 潤いを引き寄せて、お肌に与える


糖類は、グリセリンと並んで保湿剤として使われることが多い成分。

化粧品によく配合される糖類

・トレハロース

・エリスリトール

・ソルビトール

・スクロース

・キシリトールなど

スクロースやキシリトール・ソルビトールは、水分蒸発を防ぐ保湿効果に優れています。


保湿成分⑩:
ワセリン

保湿効果

水分を逃がさないように閉じ込める

 
ワセリンは、肌の表面を覆うことで水分の蒸発を防ぎ、強力に保護してくれる油性の保湿成分。

軟膏の基剤として使われているなど、安全性が高いのも魅力です。

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特に荒れがちなときに◎


低刺激なので、乾燥肌かつ敏感肌の方でも安心して使えますよ。

 

なかでも、純度の高い白色ワセリンは、特に荒れている状態でも使いやすい成分です。


自分にぴったりな保湿成分は見つかりましたか?

ここまででご紹介した保湿成分を、高価別にを簡単にまとめると、次のようになります。

効果別の保湿成分の種類まとめ

保湿効果 保湿成分
潤いを引き寄せる

ヒアルロン酸

コラーゲン

アミノ酸類

グリセリン

BG

DPG

糖類

潤いを挟み込む

セラミド
潤いにフタをする

スクワラン

ワセリン

 
高い保湿力を期待するならヒアルロン酸やコラーゲン、敏感肌でバリア機能を高めたいならセラミドを選ぶのがおすすめです。

さらにワセリンなどの油性成分を組み合わせて、しっかりうるおいを閉じ込めましょう!

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使い分けと組み合わせを!


化粧水ではヒアルロン酸を、美容液ではセラミドを…といったように、目的やアイテムに合わせて使いわけたり、組み合わせたりして保湿しましょう!


3.保湿成分の効果を上げるコツ3選

最後に、今回紹介した成分の保湿効果を高めるための3つのコツを紹介します!

コツ①保湿成分は複数取り入れる

保湿成分の種類を解説

保湿成分は1種類だけでなく複数取り入れるのが、しっとりうるおい肌への近道!

化粧水、美容液などアイテムごとにいくつかの保湿成分を併用することで、さまざまなアプローチでの保湿が可能になります。

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水性と油性、両方での保湿を心がけて


お肌の乾燥を防ぐには、水分を引き寄せてうるおいを与える水性成分だけでは不十分

 

スクワランなどの油性保湿成分を配合した美容液・乳液・クリームでフタをするように意識しましょう

コツ②スキンケアは優しく丁寧に

保湿成分の種類を解説

お肌は、ゴシゴシとこする洗顔や熱湯シャワーなどのNGスキンケアで簡単に乾燥してしまいます

肌を傷つけないよう丁寧なスキンケアで、うるおいを逃さないように気をつけましょう。

お肌のための正しいスキンケア

・擦らないようにメイクオフ
・泡を転がすような洗顔
・熱湯ではなくぬるま湯で洗い流す
・化粧水や乳液は優しくハンドプレス

このような優しいスキンケアを心掛けましょう!

コツ③日々の生活習慣でも乾燥対策を

保湿成分の種類を解説

せっかく保湿成分でのケアを頑張っても、お肌にとってのNG習慣でお肌にダメージを与えてしまっていることも…。

美容を意識した生活習慣を心がけて、健康なお肌づくりを目指しましょう!

美肌のための生活習慣

・室内は50%以上の湿度を保つ
・良質な睡眠をとる
・栄養バランスの良い食事をする
・適度な運動を取り入れる

なかでも、エアコンなどによる湿度の低下は、美肌の大敵!

特に乾燥しやすい秋冬は、加湿器などでしっかり湿度管理をしてくださいね。

 

4.まとめ

種類別に、それぞれ保湿力や働きの異なる保湿成分。

どの成分を取り入れるかでアプローチも変わってくるため、ぜひ成分名に注目して選びたいところです。

ぜひこの記事を参考に、保湿成分を効果的に取り入れて、乾燥知らずのしっとり美肌を目指していきましょう!

▼参考文献
日本化粧品技術者会 化粧品用語集
・宇山侊男、岡部美代治、久光一誠 編「化粧品成分ガイド第6版」フレグランスジャーナル社,2015年
・「日本化粧品検定  2級・3級対策テキスト」主婦の友社,2016年